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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第160号 ’02−11−15★
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高I低E
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■<EQ>は雑誌
TIME が用いた表現。 元祖ダニエル・ゴールマンによれば
Emotional Intelligence :EI。
公知の<IQ>に合わせた方がピンと来やすいせいか、
今やデファクト・スタンダード?は<EQ>。
●理不尽な方針を強いて
若い部下を<死ぬ>ほど働かせた<地獄>の上司、、 いったいどんな
人たちなんだろう、と前号を綴りながら考え込みました。 年功序列が
未だ生きている会社でも今どき、ただのマヌケをその職位には置くまい、、
安倍官房副長官に倣って「マヌケ」を使ってみたのですが、やはり
過激ですな。 まして同じマヌケが自民党にもいたのだから、それ
を棚に上げて、、 良かったのかな?
控え目だが痛烈辛辣、しかもユーモア溢れる英国風オトナの話法、、
というようなものは、我が政界に期待しても無駄、でしょうかね?
しかし現実に、マヌケ!とこき下ろしたい<上>はいる。 IQは低く
ないだろうし、専門知識はあるに違いないのだが、<部下をハッピーに
する能力>を見事に欠いたタイプ。
創業経営者でもない限り、自分もかつて<部下>の立場を経験したはず。
なら、部下がどう扱われたがるものか、先刻承知だろう。 それが一旦
扱う側に回るや豹変、まるで姑の嫁いびり。
前号2例における上司も、<30代>の部下に生じた結果から見る限り、
理解や同情、共感、何も無し。 ハートが無い、即ちEQの低い人々。
*
Playing Manager として自ら手を下す部分もあろうが、管理職とは本質
的に<部下の手を通じて成果を挙げる人>。 ノーベル化学賞の我らが
田中耕一名誉博士は上司にも恵まれた稀な例ですが、嘆かわしいことに
世の中一般、部下を引き立てるどころか、<足を引っ張る>や<梯子を
外す>上司の方が遙かに多い。 <本質>がワカッテナイからか、嫉妬
心の故か、つまらぬ意地悪をしては部下に<成果を挙げ>させない。
サーモ屋の昔、第136号にも書いた通り、何人かの社員に金型の
通信教育を受講させ、その仕上げにシカゴ本校へも行かせましたが、
これはその時の彼らの帰国談。
「変なんですよ。 受講者じゃなくて、その会社の社長が参加、、」
したのだそうです。 海外旅行が未だ一般的でなかった時代のこと、
社長のオレすら行ってないのに社員など、、か、
スクーリング・ツアーに<代理>で割り込んだ、由。 それが1社
ならず何社も。 部下が良い目を見る、、のが我慢ならない心理?
アチラでは<部下の手柄はボスのもの>。 一括採用バラマキ配属式で
なく、部署別随時採用。 部署の長自ら採否を決定し、部下はその認識
に応えて成果を挙げる仕組みだから当然。 <本質>に適った上下関係。
企業規模が小さければそれは我が国でも似たようなことになるはず、と
実は(自分の雇用体験から)思っていたのですが、我が後半<雇われ>
人生では不明の至り(か不徳の故か)、全くそうはならなかった。
成果を挙げても、楽しげに、や、易々と、ではダメ。 いつもヒイヒイ
言ってないと、遊んでやがる、みたいに誤解される、、 と分かっても、
楽天不用心のB型、ついつい地を出しては憎まれました。
* *
不撓不屈の青色ダイオード中村修二教授も、「、、、周りからはいつも
責められ、、さすがにキレてしまった」と告白しておられる。 何やら
この国、<上>はサディスト、部下はマゾ、配役が決まっているらしく、
どこのシナリオも似たり寄ったり。
仕事に身を挺する部下に感謝し支援、、するどころか、いっそう過酷な
状況に追い込む。 そんな<高I低E>のイヤな奴が昇進する、、のが
「人間を幸福にしない日本というシステム」、
ISR(国際調査研究所/イギリス)の調査で、日本人の会社に対する
<献身度>が主要10カ国中最下位、と出たのも不思議ではありません。
「今の組織にこのままいたいか」、「他の人にも良い職場だと勧めるか」
などの質問に、日本人は50%しか肯定的な回答をしなかった、という。
「辞めたい、ひとには勧められない」に<共感>は無い、即ち反EQ的。
平均的な職場で半数がEQ問題児、、成果は挙がりにくいことでしょう。
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●鎖は一番弱い環で切れる、
ビジネスや組織の人間関係連鎖も同じこと。 せっかく良いメンバーを
揃えても、誰か一人が抜きん出て?<低EQ>だと、チームの総合力は
その低いレベルでしか発揮されなくなる。
「集団の能力にもっとも大きな影響を与えるのは、集団のIQの水準
でも、その集団の中でもっとも高いIQを持つ人間でもない。
EQの低い人間が一人混じっているだけで、その集団全体の能力が
落ちてしまう可能性があるのだ。」
これはロバート・クーパー、アイマン・サワフ共著の
<EXECUTIVE EQ>(「ビジネスマンEQ」三笠書房
p.46/47)の1節ですが、
実際<高I低E>が会議や業務をリードすると、第一に効率は上がらず、
第二に効果性が無視され、、 すべての努力が空しくなる。
もともと組織は<一人では手に負えない仕事>を促進的に処理するため
の工夫。 何人か集まれば少なくとも足し算、望むらくは掛け算的成果。
なのに現実、足し算にも満たなかったり、盛大なマイナスを生じたり、、
国税庁によれば、2001年度の税務申告約270万法人中、黒字は
僅か30.9%。 過去最低は1999年度の30.7%、それ以前
10年間も低下の一途。 <成果の挙がらなさ>の証明、ですな。
*
この高学歴社会、利益追求の場に投入されているIQのトータルは莫大
だろうに、7割が赤字とは何たる不都合。 あらゆる社会資本を利用し、
大量のエネルギーを消費していながら、お返し無しのヤラズブッタクリ。
たとえばかつての西武王国、事業盛大にも拘わらず納税額ゼロ、なのに
堤氏は長者番付入り。 そういうのが幅を利かせ、誰にも糾弾されずに
済んでいる我が国、倫理的とは言えませんな。
ベネディクト女史的<恥の文化>はすでに消滅し、もはや<破廉恥容認
の文化>。 戦後半世紀の<心>無視教育で、EQの低さは救いがたい
水準です。 ちなみにゴールマンの言うEQ<こころの知能指数>は、
「、、IQとは質の異なる頭の良さ、、心から納得できる決断を下す
能力、、感情を制御する能力、、自分自身を励ます能力、、他人の
気持ちを感じとる共感能力、、調和を保ち、協力し合う社会的能力」
(「EQ こころの知能指数」 講談社
1996年 p.1)
前号2例の上司たち、どうだったか? <心から納得>して部下を酷使
したのか、部下の気持ちを感じ取っていたか、励ましたか、協力したか、、、
まさか。 即ち「感じる知性」EQが<無い>、みたい。
彼ら<30代>の死は、<低E>上司に高Eで応じるとどうなるか、と
いう教訓でもある。 <上>の低EQ的な扱いに従わざるを得ずしかも
死にたくない、とすれば、自分もEQレベルを低めて応じるしか無い、、
かどうか、どこも<低E>だらけ。
そこに馴染んで年を重ねれば、ついには<習い性とな>り、低EQ的に
部下を扱う<上>に自分もなる。 そしてその部下は、、 の悪循環、
善良な個人も、組織の一員としては、その善良さで<納得できる決断>
を下すわけではなくなる、、(引き合いに出すこと再々で申し訳ないが)
雪印でも、日本ハムでも、東電でも、外務省でも、警察でも、、
あらゆる<不祥事>の鍵は、どうやら<低EQ>。 低EQの<上>が
すべてをオカシクしている。 即ち不祥事発生防止には<EQ向上>!
* *
と言いたいけれども、EQを客観的、定量的に測定する方法があるわけ
ではないから困ります。 ゴールマンの本<EQ>は、主にEQの生理
的心理的原理や社会生活における重要性についてで、
情動学習や情動教育に4章を割きながらも、社会人向きの具体的なEQ
強化方法を示してはいない。 それでも<人格的知性>を高める必要は
痛感させられるのだが、現実の問題は、
その第一の対象が<上>だということ。 低EQの自覚はあるまいから、
自助努力は期待できない。 しかし「低いですよ」と教えて差し上げる
なんて、猫の首に鈴。 そう言わずそう<自覚>させる方法は無いか?
そこで<EQ>p.74/5、イエール大学心理学教授ピーター・サロヴェイ
の<5領域>に着眼し、これに
Rational Process を重ねてみると、
1)自分自身の情動を知る
<自分の中にある感情を認識する能力>がEQ最重要の基本だ、と
いう。 これに役立つのはまず状況分析:SAでしょう。 状況を
明確に把握せずに、正しい自己認識など出来ませんからね。
2)感情を制御する
それは<情動の自己認識>の上に成り立つ、という。 なら、前項
の延長。 SAに努めれば、冷静にならざるを得ないでしょうから。
3)自分を動機づける
<目標達成に向かって自分の気持ちを奮い立たせる能力>は、決定
分析:DAで、自分の
MUST、WANT を明確にすることによって発揮されます。 普通は感情が先行するため、混沌不明確なものです。
4)他人の感情を認識する
即ち<共感する能力>ですが、それは<他人の動機>を知ることで
高められます。 DAのコツは、<他人の
MUST、WANT>をも描き出すこと。 それらが<他人の感情>のもとでもあるのですから。
5)人間関係をうまく処理する
この能力が人気やリーダーシップや調和のとれた人間関係を支える
基礎となる、と。 それはまさに
Rational Process がもたらす効果そのものではありませんか。
* * *
即ち、状況把握が不十分ないし不正確だから正しい自己認識が出来ない、
奮い立たない、他への共感を欠く、、だから低EQ。 なら、その一つ
ずつを技法で補強して行けば、、 ということ。
この際<上>の<個人的特性>は不問に付し、分析シートで状況把握を
助けて差し上げることに専念しましょう。 ご機嫌悪くなろうと恐れる
必要なし。 お気に召さないのはどのデータ? どの記述? どのよう
に? と訊き、指差して頂くのです。
「私の考えでは、、」と言わず、「技法によると、、」とするのが
コツです。 あなたが憎まれる必要なし。
Rational Process が引き受けます。 技法は憎まれてもヘコミませんから。
肩を並べ、分析シートに目を注ぐ、、は<協力>の姿。 それを通じて、
データと判断を共有する、、そうしていたら、<1人1千カ所>なんて
いう無茶な案に落ち着くわけ無かったでしょう。
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すでに固まった人格、<E>の低さを嘆いても無益。 それはそのまま、
高EQさながらの判断に到達すれば良いのです。 そのため本来<I>
の技法である
Rational Process を用いてはいかが? と提案する次第。
ツールは使いよう。 どう使って、どんな効果を生じさせるか、ウデの
見せどころです。 「おたすけマン」、及ばずながらお手伝いしますぞ。
■竹島元一■
■今週の
<私の写真集から>は ★芸術的生活★
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